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Posted by ばし
 
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河原での不思議な出会い(2)
120119_bashi06.jpg


(前日から続く)


このあたりは、コスモスの種はさほどはびこっていないが、
枯れたススキが綿毛を飛ばし、土ぼこりも多くてちょっとむせてしまう。
結局いつものように、薮こぎ。
カメラを傷つけぬよう頭上高く持ち上げてガサガサと進んで行くと…


「●△×□☆◎★・・・」


なにやらお経のような声が聞こえた気がした。


気のせいかな? どこかのラジオか? 
ま、いいや。


と、またガサガサと歩を進め、
行く先にある大樹にカメラを向けると、


「●△×□☆◎★・・・」


いや、また聞こえたぞ。空耳じゃない。
お経が断続的に聞こえてくる。


私は、剥き出しの土が一段高くなったところをよいしょと登った。
すると、まさに私がカメラを向けていた大きな木の下に
板で囲った小さなブース(?)があり、
その中でおじさんが椅子に腰掛け、お経を唱えているのが見えた。


120119_bashi07.jpg



とても絵になる光景だった。
形の美しい大樹の下の、木漏れ日に包まれた秘密の小部屋。
…そんな感じだった。


遠目にではあるがおじさんと視線が合い、
このまま無視して去るのも不審者みたいな気がしたので、
私は会釈して木に近づいた。


おじさんも、「ちょっと休憩していきませんか?」と声を掛けてきた。


「いい場所ですね〜」
私は感激したように言った。
しかし感激したのも嘘ではなく、本当にいい場所だった。
木の上、ではないが、ハックルベリー・フィンの家を彷彿させた。


120119_bashi08.jpg


木製の雨戸を7、8枚使って囲いを作り、
中のスペースは人が二人入れる程度の広さだった。
椅子が一脚。
ゴザの上に座布団と、熱中症予防の清涼飲料水のペットボトルが数本。
おじさんは、そのゴザに座るよう私に促した。


「おじさん、さっきお経あげていました?」


うっかり…、というわけでもないのだが
私がそう尋ねた時より、このお経がいかにすばらしいものか
自分の人生をどれだけ救ってくれたかなど
おじさんの身の上話やサクセスストーリーを
2時間余りにわたって聞くことになった。


おじさん、といってももう80を超えた方だ。
私より50年近く余計に生き、激変の過去八十数年を生きてこられた方なのだから、
人生を語れば話は当然長くなる。
信仰があってもなくても、きっといろいろあったことだろう、
私はどこか冷めたことを思いながら、話に耳を傾けた。
数々の苦境を乗り越え、あやうく命を落としそうになったときにも助かったという。
そして、今自分がこうして元気に生きていられることも、
おじさんはすべて信仰のご利益だと強調した。
詳述は避けるが、かなりミラクルストーリー、いや、ミステリーにも近い話をたくさん聞いた。


さらに、私が幸せになれるようにと熱心に信仰を勧め、
その世話までしてくれようとした。勧誘というほど直球でもなかったが。
2時間のうちの1時間は、その話だったかもしれない。


時計が気になりはじめてから大分経ち、ようやく別れ時がきた。
おじさんは帰ってからも私のことを祈ってくれるという。


おじさんの信仰について私は信じても疑ってもいないが、
幸せなのはよかったね、と思っている。
人の幸せを祈るのは、自分にゆとりがないとなかなかできないことだ。


善意からの長話だったと信じているが、
しかし、今後あの河原を歩きにくくなっちゃったなあ。


カメラを持って歩いていると本当にいろんな人に会う。
またネタ(何の?)が一つ増えてしまった。
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